水、お茶、スポーツドリンクに熱中症対策の塩あめ、まだまだ気温の高い日中の作業後には労をねぎらうカキ氷。かゆいところに手が届くボランティア支援だ。
10日、9月の台風12号で甚大な被害を受けた和歌山県那智勝浦町に入った。これまで計6回、東日本大震災の被災地を訪れ、ボランティア活動を行ってきたが、同町にある災害ボランティアセンターの対応の良さに驚かされた。
理由を教えてくれたのは、被災地で土砂を積んで走るトラックに貼られたシール。そこには、「石巻災害復興支援協議会」や「石巻ボランティアベースキャンプ 絆」。聞き覚えのあるこの名は、宮城県石巻市で活動するボランティアたちがつくったグループだ。
彼らは宮城で活動したノウハウを台風被災地にも届けようと和歌山入りし、地元の社会福祉協議会などと協議を展開。この活動が支援の原動力になっていた。
震災で生まれたボランティアの絆が、身近な場所で実を結んでいる。少しではあるが宮城を知る者だからこそ、そのことがうれしく、飲み干す水が余計に身にしみた。(森田靖久)