篠山市大山上の「ねんりん館」で、地元産のスギとヒノキの間伐材を使い、毎年この時期に作られてきた卓上サイズの干支(えと)の置き物。同館のスタッフ、中曽みのりさんと家谷章子さんが12年前から制作を始め、現在制作中の「辰」で、ついに十二支がすべてそろった。巳年から始まった歴代の置き物を目の前にずらりと並べ、取材をさせていただいた。
「12年分の作品を見て、ご感想を」と私。「過去の作品を通して、それぞれの年の出来事がよみがえってくるわ。あっという間の12年間だったけど、私たちの息子や娘が結婚したり、親が亡くなったりと。思い返してみると、大きな時間の流れを感じる」としみじみ語る2人。そんな話を聞きながら、私も自身の12年前をさかのぼってみる。27歳、写真家を夢見て、大阪の写真事務所でカメラマンをしていたころだ。「そうか、あれからもう、そんなにも経つのか」と私もしばし、しみじみ。
2023年の12月、再び2人に「干支制作が“2巡”しましたが、今のお気持ちを」と取材できる日を夢見て、お互い頑張りましょうね。中曽さん、家谷さん。(太治庄三)