県立柏原病院(県立)と柏原赤十字病院(日赤)の昨年度の決算。県立は赤字が10億円超と二桁の大台に乗り、日赤は10年ぶりに1億円を割った。
日赤の昨年度の入院患者数約3・1万人は、猛烈な医師数減が始まる前年、04年度の数字とほぼ同数。診療科が減り、内科中心の病院に「変わった」ことで、経営効率が上がった。在宅医療にも力を入れ、ほとんど手つかずだったところを開拓している。
県立の入院患者数は、04年度の約9・3万人が、昨年度は3・6万人と、依然半分以下。今年度の経営目標「6・8億円の赤字」からも分かるように、経営は破綻状態にある。
県立は、「元の姿」に戻ろうと努力しているが、県立の医療は、西脇や福知山の市民病院と競合する部分が多く、患者が戻るのに時間がかかる。
県立の経営を単独で再建するのはほぼ不可能だ。日赤も、単年度赤字の額は減ったが、20億円弱の累積赤字がある。他の県立病院に護送船団方式で守られている県立柏原と異なり、日赤は柏原日赤自身が借金を背負っている。先行きを見渡した時、経営を続けられるのかどうか、非常に苦しい経営が続く。(足立智和)