地元勤務促して

2012.12.15
未―コラム記者ノート

 県立柏原病院の稼働病床が12月から16床増え、4年半ぶりに146床まで戻った。外科系診療科で、昨年から今年にかけて入院・手術ができる体制がとれ、ベッドが足りなくなりつつあった。
 同病院の許可病床は303床あり、半数以上が休床。これ以上ベッドを再開させられるか否かは、医師もさることながら、看護師をどれだけ集められるかにかかってくる。
 大学の医局組織に所属している医師にとって病院が任期を過ごす「派遣先」なのに対し、看護師にとっては、「就職先」だ。選ぶ目は厳しく、田舎の病院は敬遠されがちだ。
 地元出身の看護師に地元勤務を促す、は現時点で取り得る数少ない手立てだ。民間病院や福祉施設、丹波地域は、どこも看護師が足りていない。10年、20年先を見通しても、充足はないだろう。
 年末年始に帰省や同窓会で、医療関係職種の知人に出会ったら、ぜひ地元勤務をと声をかけてほしい。推薦入試で、看護大学、看護専門学校合格を決めた受験生にも、今のうちに、地元勤務を考えるよう話をしてほしい。今、人材を地元に集めることが、将来の安心の礎になる。(足立智和)
 

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