新販路の開拓で注目を集めている柏原加工紙株式会社を取材した。矢本社長のインタビューの中で“目からウロコ”だったのが、「経費削減や新製品の開発が生き残る道だと思っていたが、今考えると全部違っていた」と言われたこと。柏原加工紙がしたことは、発想の転換だけだったそうだ。
「創業52年で培ってきた製造技術は、外部の目から見たらすばらしいもので、販売も無限の可能性があると言われる」と矢本社長。「弱み」だと思っていたことが実は「強み」で、コストダウンの対象とみなされていた商品が、別のマーケットでは「高付加価値の商品」として受け入れられた。
アイデアのきっかけを得たのは、丹波市商工会の経営革新塾。講師のアドバイスや異業種の人たちとの交流が化学変化を起こし、ラッピング紙ブランド「teshiopaper(テシオペーパー)」の立ち上げにつながった。
柏原加工紙の例は特殊ではないと思う。外の世界の目で見てもらい、自社の製品やサービスを定義し直すことで、丹波の中小企業にもまだまだチャンスが眠っているのではないか。(古西 純)