「一年生になったら、友達100人できるかな」と歌ったことがおありだろうか。
朝晩肌寒くはあるが、春である。春は入学の季節。丹波地域の小学校でも子どもたちが新たな一歩を踏み出した。
歌に戻る。私もかつて歌ったことがあるが、無知な少年はその時、母校の児童をすべて足しても100人いないことを知らなかった。その学び舎は4年前に閉校した。
中学校では100人以上いたが、このかわいらしい歌は、変声期に入る生徒には似つかわしくなかった。
歌ができたのは昭和41年。団塊の世代の少し後で、100人を超える学級もざらにあっただろう。現代の少子化を思い知らされる歌でもある。
ただ、人数が多ければいいという問題ではない。たとえ人数は少なくとも、富士山でおにぎりを食べ、日本中を駆け回り、世界に笑い声を響かせることはできる。取材先で見たのは、そんな未来を思わせてくれる笑顔ばかりだった。
春はもちろん入学生以外にとっても新たな一年の始まり。同じく小さな会社だが、私も1年生の気分でがんばらねば。(森田靖久)