さるぼぼ

2016.02.10
丹波春秋

 春節到来。今年は「さるぼぼ」が人気を呼んでいるそうだ。岐阜県飛騨地方に伝わる民芸品。ウェブの通信販売で小さなのをいくつか取り寄せた。▼「ぼぼ」は「赤ちゃん」の方言。両手両足を広げた全身オレンジ色の人形が頭巾をかぶり、「飛騨」と書いた黒い腹がけをしている。顔に目鼻はなく、サルというより金太郎のイメージ。肩からお守りをかけているので、車の運転席に吊り下げた。▼その昔、田舎では子供に人形を買い与えるような余裕はなく、布の端切れを使って作っていた。天然痘などの疫病が流行り、悪霊祓いには赤い色が良いということで赤い布が好まれ、サルに似ているのでさるぼぼと呼ばれるようになったという。▼近年は、色は黄金色からピンク、形は座布団に座ったもの、蓑笠をかぶったもの、サイズも大は50くらいまで様々なバリエーションが工夫され、「さるぼぼ神社」を作った業者も。縁起物として、子供を授かりたい夫婦らがお詣りする。さらには婚活にも効果があるそうで、おくるみに包んださるぼぼを彼女にプレゼントすれば、草食系男子も無言でプロポーズできるとか。▼さて、3年後は亥年。さらには辰年も待っている。今からウリボウや丹波竜の人形を能書きもまことしやかに作り上げて、世界に売り込めば。(E)

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