岩手訪問ツアーに参加を

2016.03.10
丹波春秋

 岩手県陸前高田市を初めて訪れたのは30年前。前の新聞社の盛岡支局の同僚に誘われて、同地で開かれた第1回全国和太鼓コンクールを見学に行った。海岸の7万本の松原の見事さと共に、夜、料理屋の隣の部屋の客達が賑やかに民謡を囃していたのを今も覚えている。▼3年前に本社主催の被災地ツアーで同市を再訪した際、案内して下さったMさんにその話をしたら、「私もそのコンクールの実行委員をしていました」と言い、筆者の元同僚の名前がすっと出てきたのに驚いた。▼間口が狭く奥行きの深い三陸の町の中で、珍しく間口が広い同市は、津波の打撃をもろに受けてほぼ全滅。松原も奇跡の1本松を残すのみとなった。▼一昨年にまた訪れた際はかさ上げ用土砂を運ぶ巨大コンベアーが縦横に張り巡らされ、まるで異星のSF映画の現場に来たよう。この先工事が完成して本当に人々が戻って来るのかと案じられた。この風景は昨年も同じだったが、高台にある高校に新校舎が建って生徒らが元気にバスから降りていくのにほっとした。▼開通のめどがつかないJR高田駅のプラットホーム跡でMさんは「客がいないと…。私の生きている間はまず無理ですね」と、あっけらかんと話した。今年の本社の岩手訪問ツアーは同市から始まる。多くの方々の参加を期待する。(E)

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