中国のサービス

2016.07.21
丹波春秋

 先月、美術館の訪中ツアーで洛陽のホテルに泊まった際、日本も顔負けなくらいのサービスを受けた。着くなり、女性従業員が一人一人におしぼりを配りに来る。館内どこでも皆ていねいにお辞儀をしてくれる。▼枕銭などのチップは不要と聞いていたが、した人もいて、翌朝バスが出発する時、「折角ですが、頂かない決まりになっていますので」と返却された。誰かが忘れたカメラのほかタオルまで。▼出発日が団員の1人の誕生日で、ホテルには伝えていなかったが、パスポートで調べたらしく前夜、部屋にケーキが届く。また別の女性は「持参の少しだけ残っている歯磨きのチューブを洗面所に置いていたら、絞り出し易くする器具を付けてくれていた」。ロビーや部屋も立派だったが、「こんな気配りをするホテルは初めて」と添乗員も驚いていた。▼一方、空港の従業員の応対は、相変わらず世界最低レベル。大連で国内線に乗り換えるまで2時間ほどあり、余裕は十分なはずだったが、パスポートのチェックも荷物の検査ものろのろ、不必要なほど入念で、搭乗口にたどりついたのはぎりぎりの時間。▼何を尋ねてもつっけんどんで、言葉が通じないのはともかく、まるで温かみがない。官民のこの格差が今後どう解消していくのかいかないのか。見守りたい。(E)

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