ミャンマーの車

2017.02.09
丹波春秋

 ミャンマーの最大都市ヤンゴンの街に入ると、「○○建設」と日本語で書いた小型トラックが目に入り、荷台に大勢の若者が乗っている。「こんな知らない会社が進出しているのか」と思っていると、間もなく「新潟交通」とか「○○ようちえん」のバスまで。いずれも中古車だった。▼日本文字がステータスなのか、費用がかかるので消さないのか。帰国時の空港で飛行機まで輸送されるバス車内にも「完全に停車するまで席を立たないで下さい」などと書いたプレートがかかっているのに気が付いた。▼ちなみに、トラック荷台にベンチを並べて客を座らせるのは当たり前の交通手段。1300の山上の寺にお参りした際も中型トラックに7列各6人がぎっちり詰め込まれ、ジェットコースターのように荒っぽい運転に揺さぶられながら行った。これも「△△建設」。▼日経のネット情報によると、車が右側通行の同国で、登録乗用車の何と9割超が日本製の中古車とか。どれもきれいで果敢に走っており、日本の製品はたいしたものだと改めて認識した。▼ところが政府は最近、渋滞対策、製造業育成策などから中古車の輸入を左ハンドル車だけに規制する方針を打ち出した。スズキなど新車工場を持つ企業は歓迎しているが、街頭から日本文字はだんだん消えていくのか。(E)

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