声なき声を聞いて

2017.06.22
未―コラム記者ノート

 篠山市が「丹波篠山市」に市名を変更しようとしている問題で、市議会は市名変更を要望した団体に「検討に値する」「市民を二分しないよう、十分留意して進める必要がある」などとする調査結果を回答するという。
 要望団体への聞き取りや、議会報告会で一部の市民の意見を聞いたのは、あくまで「検討に値するか否か」を判断するための調査だったようだ。この問題で全議員が参加する政策討論会は終了するという。過去に何度も議論されてきた問題で、「検討に値する」のは大前提として、さらに踏み込んだ調査、議論がされると思っていたのだが。
 一方、酒井隆明市長は市議会定例会で「今回やるしかない」と前向きな姿勢を示した。「ふるさと一番会議」などの機会に市民に説明していくとしており、ますます関心が高まっていくことだろう。
 「市民を二分」する可能性のあるほどの重要な問題。議場でこの問題の賛否が問われる機会は必ず来る。その時のために、声なき声にも耳を傾ける努力を何より大切にしてほしい。それこそが本来、市議会議員がすべき仕事なのだから。(芦田安生)

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