変わる被災地のニーズ

2017.06.24
未―コラム記者ノート

 今月上旬に実施した「熊本復興支援ツアー」の同行記を3回連載した。
 行政の力をほとんど借りず、住民とボランティアらで復旧作業に取り組んだ益城町東無田地区を紹介した。その地区で今年1月からNGOの熊本支援スタッフとして、仮設団地の自治会運営を支援する仕事に就いている女性に話を聞いた。仮設団地の課題として、ひとり暮らしの高齢者が多く、孤立のリスクが高まっているという。そのリスク軽減のために、「茶会や音楽療法、手品などの住民同士のコミュニケーションを促進するような、ボランティア活動は助かる」という。
 また、熊本市と益城町を案内してもらった現地旅行会社のスタッフは、仮設団地の課題として、「住民の自立が求められている。何かをしてもらえるボランティアではなく、ボランティアと一緒に取り組む活動が必要」と指摘する。
 先日、東無田地区を取り上げたNHKの番組では、復興住宅をどこに、どんなものを建てるのかがテーマとなっていた。熊本の被災地のニーズは刻々と変わっているのだろう。(坂井謙介)

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