津波で多くの漁業者が離れていった石巻市の漁師のグループが、若者に漁業への関心を持ってもらおうと「フィッシャーマン・ジャパン」というサイトを立ち上げ、様々な活動をしている。▼その一環として、漁師は早起きであることに目を付け、朝の苦手な人向けにモーニングコールを受け付け始めたところ、全国から申し込みが殺到して抽選しなければならないほどになったという。石巻の水産物ファンが増えていくことだろう。▼ネットの時代、ちょっと目新しさをアピールすれば、すぐに人を集めることが出来る。しかしその目新しさに、当事者自身は意外に気が付いておらず、たまたまわかった時、「えっ、こんなことが?」と驚くことになる。▼ところで5月21日号本紙「自由の声」欄に、高知県の人の「柏原藩陣屋訪ね歴史の町に感動」という投稿が載った。「城郭のある所は全国ほとんど見尽し、残るは陣屋のみ」だったところ、小野市に来た機会にわざわざ足を伸ばし、静かな街並みの中に残る陣屋跡に魅了されたという。▼殿様の住まいが残る大名陣屋が現存するのは、全国でもほかに川越、掛川などごく少ないと聞く。ただ雨戸を閉めて保存しているだけではいかにも勿体ない。茶会なり結婚披露宴なり、ネットで呼びかけどんどん使ってもらえばいいのに。(E)