近くて遠いお隣

2017.07.27
未―コラム記者ノート

 篠山でいつもお世話になっている方から電話が入った。「ちょっと代わるわ」。続いて男性の声。「須知高校の森田君?」。私の母校だ。若干、震えながら、「はい」と答えると、なんと高校の先輩だった。

 先輩は今、篠山に通って働いておられるらしい。仕事先で世間話に花を咲かせる中、どういう経緯か、私にたどり着いてもらえたようだ。

 篠山の中で最も京丹波に隣接している西紀北や大芋地区に出向くと、「買い物で時々行く」とか、「隣のおばあちゃんが京丹波出身や」などと聞くこともあるが、なかなか京丹波町民には遭遇しない。久しぶりに会った地元民が先輩ということで、ことのほかうれしかった。

 京都と兵庫にまたがった丹波国が廃藩置県により分割されて今年で146年。いくつかの峠と行政上の違いから、今では近くて遠いお隣さんだが、私や先輩のように互いを行き来する人がいる。

 一方で、私自身、篠山に来るまで、その歴史や伝統を知らなかった。灯台下暗し。同じ“丹波国民”として互いのまちを満喫しあえるような記事を書けないか。検討してみます。(森田靖久)

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