地域紙

2017.08.28
丹波春秋

 本紙の記事にもある通り、篠山市立中央図書館で今、丹波新聞社の協力により「全国の地方新聞展」が開かれている。北海道から沖縄まで全国各地の地域紙39紙を展示。手に取って読むこともできる。

 新聞の凋落が言われている。日本新聞協会に加盟している新聞社の発行部数は一昨年で約4300万部。ピークだった20年前と比べて2割の減となっている。背景にはインターネットの普及がある。

 丹波新聞のように限られた地域を拠点にしている地域紙には、IT化に加えて地方の衰微という悪条件ものしかかっている。地方の時代、地方創生と掛け声だけは昔からかまびすしいが、実はあがっていない。そんな中にあって、全国各地にある地域紙はその灯をともし続けている。

 「蟷螂(とうろう)の斧」という言葉が浮かぶ。カマキリが前足をあげて車の車輪に向かってきたという中国の故事に基づく言葉で、弱いものが自分の力を考えずに強い相手に立ち向かうという意味。

 地域紙を弱小と決めつけるのは表現に行き過ぎがあるが、逆風に立ち向かおうとする態度は、蟷螂の斧のカマキリに通じる。全国各地で、地域紙がそれぞれの地域に密着した情報を提供し、地域の人たちをつなぐ媒体になるべく奮闘していることを知っていただける展示会になればと願う。(Y)

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