子どもの自分に再会

2017.08.03
未―コラム記者ノート

 ふと調べ物をしようと過去の弊紙をめくっていると、個人的に衝撃的な掲載写真を見つけた。1993年10月21日付の新聞に、小学校2年生当時の私が写っていたのだ。ただ、本人には全く記憶がないのが悲しい。

 とはいえ、個人を取材したものではないし、記事の中に名前は一切出てこないので、覚えていなくて当然だ。地元の古い神輿が新調され、お披露目を兼ねて子どもたちが引っ張り、地域を練り歩いたという内容で、その模様を写した一枚。ずいぶん眠たそうな顔で友人たちと神輿を引っ張っている。

 記事を読むと、地域の高齢者3人が、子どもたちに本格的な神輿を見せてやりたいと、お金を出し合って新調したとのこと。当時、いきさつは聞かされたのだろうが、覚えていないのが申し訳ない。

 新聞は最新のニュースを掲載するもの。だが、時を経れば価値がなくなるということは決してないはずだ。時間がたって過去を振り返ったとき、地域の流れがわかるような新聞であるならば、意味のあるものだと思う。そんなことを改めて感じさせる一枚に出会った。
(田畑知也)

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