オーストラリアの姉妹校を語学研修で訪れた篠山鳳鳴高校の記事が過日の本紙篠山版に載った。記事によると、姉妹校では「ドラマ」という授業があったという。設定された役になりきるという学習だったらしい。
アメリカの大学には演劇学科が多いことを思い起こした。日本では演劇を専攻できる大学は10校程度だが、アメリカでは名門私立大学の多くに演劇学科がある。日本の地方国立大学に相当する州立大学でも同様らしい。
学生は必ずしも俳優を目指しているわけではない。ビジネスマンになる人がほとんどだ。「アクション(演技)による表現は社会人として大事な能力である。そう考えているから、日本人が法学部や経済学部に進む感覚で演劇学科に入ってくる」(竹内一郎氏『やっぱり見た目が9割』)。
アクションは、コミュニケーションの重要な道具と考えられている。多様な言語が交わされる国では、言語の習得も大事だが、身振り手振りや顔の表情、声の出し方などによる身体表現の能力も養う必要があるとされているのだ。言語だけがコミュニケーションの道具ではない。
学習指導要領の改訂で今後、小学校で英語に親しむ時間がさらに増えるらしい。背景にはグローバル化があるという。それならば身体表現能力の養成も忘れてはならない。(Y)