白内障

2017.11.30
丹波春秋

 8月に白内障の手術をしてから3か月余り経った。10年ほど前から言われていたが、普段さほど支障がないので放っていた。しかし、少しずつ視力の衰えを感じ、夕陽が異常にまぶしくて運転が怖いほどに。

 ゴルフでボールの飛んだ先がよく見えず、同伴者が「バンカーの手前」などと教えてくれるのを「よう見えるなあ」と感心していたが、今春にホールインワンした時、周りが騒いでいるのに自分はグリーンに上がって確かめるまで半信半疑。これで手術を決意した。

 右と左で2週間おいた。診察室で初めて眼帯をはずした時、眼前に開けた視界は忘れられない。「世の中ってこんなに明るかったのか」と気がついた。山の緑も田んぼの緑も瑞々しく、「カメラで撮っておきたい」と一瞬思った。よく考えれば自分の脳内に焼き付けておくしかなかったのだが。

 目の前に来るまで読めなかった交通標識が、遠くから識別できるのが楽しく、何度も試みていたが、月日が経ってくるとすっかり慣れて感激も薄れ、身勝手さを痛感する。

 眼科の患者がすごく多いことも知った。白内障は手術で対応できるが、薬で進行を防ぐしか方法のない厄介なものも多いようだ。iPS細胞の技術などが実用化され、そうした病気もたやすく治療できる日が来ることを期待する。(E)

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