路上ライブしながら自転車で日本一周 日下慎之介さん(篠山市呉服町)

2017.12.24
たんばのひと

生活費は「投げ銭」のみ

 10月まで1年4カ月かけてギターで路上ライブをしながら「ママチャリ」で全都道府県を回った。昨年6月に大阪を出発、京都から船で北海道へ。本州、九州を縦断し沖縄へ。九州から四国に入り、大阪に戻った。アルバイトはせずに、ライブの「投げ銭」だけで生活費をまかなった。「最初は投げ銭が少なく、生活費を気にしていたが、ライブで喜んでもらえるだけで十分、と気持ちを切り替えてから、なぜか投げ銭が増えた。多い時で一夜で15万円の時もあった」。

 オリジナルは10曲ほど。カバー曲などを歌ったり、1曲1円で客がリクエストする即興曲を披露した。「7割はしゃべり、歌は3割」と、客との触れ合いを大切にした。繁華街では客からスナックに誘ってもらい歌うことが多かった。「スナックの“ママ友”がたくさんできた」と笑う。基本は寝袋で野宿、冬はネットカフェで泊まった。延べ3カ月ほどは客の家で泊まらせてもらった。

 丹波市柏原町挙田出身。新井ユニオンズ、ベースボールネットワーク、柏原高校と野球一筋だったが、芽が出ずにくすぶっていた。14歳の時、「目立つ職業で、話下手でもしっかり歌詞にすれば表現できる」と歌手を意識した。四天王寺大教育学部を卒業後、大阪でライブ活動を始めた。現在のマネージャーで、ベースボールネットワーク時の指導者、本荘繁樹さんから聞いた「やりたいことをやって後悔しない大人に」に刺激を受け、日本一周を決意。「達成した今はいろんな経験で説得力のある言葉を話せるようになった。生きていく上での自信がついた。ライブや講演で元気を与え、地元に誇りを持てる人になりたい」。25歳。

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