「飲めないけど…」高校生が酒米栽培 地元の酒蔵で醸造へ

2018.09.27
ニュース丹波篠山市地域

稲刈り機に乗り込み酒米を刈りこむ生徒=兵庫県篠山市福住で

日本三大杜氏の一つにも数えられる酒造り集団「丹波杜氏」の里、兵庫県篠山市にある篠山東雲高校の3年生7人が今年、酒米「五百万石」の栽培に初めて挑戦し、このほど稲刈りを行った。収穫した米は、地元の酒蔵「鳳鳴酒造」で醸造される。

同校に赴任して3年目の臨時実習助手、大島久佳さん(55)が、赴任当初から学校のある地区のきれいな水や空気が酒米に合うのではと考えていたという。

昨年、試験的に同じ酒米の山田錦を1アールだけ植えてみたところ、流通できる品質のものが栽培できた。これを受けて、学校に鳳鳴酒造と交渉してもらい、生徒たちが育てた酒米を扱ってもらえることになった。

2枚の田んぼ計約35アールで栽培。5月に田植えをして以降、おおむね週1回のペースで、稲の丈、茎数、葉色などを調査した。

8月に入り、穂をスズメに食べられた個所があり、「収量はやや少ないが、まぁまぁのものが出来たのではないか」と大島さん。

稲刈りでは生徒たちが交代で稲刈り機を操縦。清水李穏君(3年)は、「酒米は初めてだったが、事前に勉強もし、興味を持って取り組んだ。生育調査をしていて稲の背丈が一気に伸びたという印象。よいお酒になることを期待している」と話していた。

同酒造の西尾和磨社長は、「生徒さんは飲めないが」と苦笑しつつも「OB、保護者の方などに盛り上がってもらえる事業になれば。他の米とも合わせて仕込むことになるが、東雲高校の生徒が作った米を使用していることを、何か目に見える形で残せないか考えていきたい」と話している。

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