「働き方改革法」4月施行 地方の事業所にはどう関係? ハローワーク所長にインタビュー

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働き方改革法の周知を進めていきたいと話す小林所長=兵庫県丹波市柏原町で

4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行される。大きな議論になっていた法律だが、中小企業が大半を占める丹波地域では主にどのような関係があるのだろうか。ハローワーク柏原の小林孝至所長に話を聞いた。

 ―法律のポイントはどういったところか

企業の規模を問わず来月から施行されるのが、「年次有給休暇の確実な取得」。事業主は、年10日以上の有給休暇が与えられている全ての労働者に、毎年5日有給休暇を取らせなければならない。1人ずつ管理簿を作って3年間管理することが義務付けられる。自分で5日間取っている人はいいが、猛烈に働く人がいる場合も、全員に取らせなければならない。

また、大企業は来月から、中小企業は来年4月からの施行になるが、時間外労働の上限規制が導入される。時間外労働の上限が「原則月45時間、年360時間」と定められた。労働基準法になかった「上限」が決められたのは画期的。

同じく中小企業は来年4月からの施行になるが、雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差が禁止される。

 

 ―法律の背景は

企業に対し「今までのやり方ではダメ」と突きつけている。日本は急激な少子高齢化と人口減少が進み、働き手不足になることが明らか。労働力の確保のために、働きやすい環境をつくろうというのが法律の主旨だ。非正規の人も安心して働くことができ、子育て期の人や高齢者、障がい者を含む全ての人が労働市場に参加できる環境をつくっていかなければならないのは間違いない。

バブル期、「24時間働けますか」というCMがあった。あの頃は主に男性が身を粉にして働くことがもてはやされ、代わりに安定した生活を手に入れたが、長時間労働による過労自殺などの問題が起きた。また派遣法改正以来、非正規雇用が増え、今は4割が非正規。若年の非正規社員は、将来への不安から結婚や出産しないことを選び、少子化に拍車をかける負のスパイラルが生まれた。こうした状況を改革するための法律だ。

 

 ―事業所にもメリットはあるか

今の学生は、労働条件で企業を選ぶ傾向が強い。労働者が働きやすい環境をつくらなければ、若者には選ばれない。

若者の採用や育成に積極的な中小企業を認定する「ユースエール」制度がある。認定企業になると、若者へのアピールになるだろう。子育てを支援する「くるみん」、女性の活躍を推進する「えるぼし」の企業認定もある。しかし、丹波地域ではいずれの認定企業もゼロ。人材確保につなげるため、こういった認定取得もめざしてほしい。

働き方改革を進めるため、昨年4月、都道府県に1カ所ずつ、「働き方改革推進支援センター」が設置された。兵庫県は神戸市にあり、各事業所への派遣型支援も行っている。就業規則の作成方法や、賃金規定の見直し、労働関係助成金の活用などについて、社会保険労務士などの専門家が無料で企業へ訪問し、相談に応じる。まずは気軽に電話してみてほしい。

 

 ―ハローワーク柏原の取り組みは

働き方改革法案については、まだあまり周知されていないと感じる。少しずつ浸透して、当たり前の世の中になるようにしていきたい。また、求人票では分からない生の情報も持っているので、求職者の方は気軽に窓口に相談に来てほしい。

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