幸せは身近な所に

2019.06.09
未―コラム記者ノート

 松山千春の「何もない事が幸せなのです」で始まる「です。」というユニークな題名の歌がある。ふだん気が付かない身近なところに宝物がある。車の暴走や暴力、殺傷事件などが後を絶たない。それだけにこの言葉が身にしみる。

 「人は重荷を背負って生きている」と言う言葉があるが、少し荷物をおろしながら、歩みたいものである。朝起きて、花の水やり、ラジオ体操を続けているが、健康で毎日を過ごせるありがたさを感じる。「見送る日々があり、忘れえぬ日がある」という歌の中の文句もある。思い出をそっと胸に抱き、毎日を生きていこう。

 田植え後の青々とした田んぼ、神社の狛犬、お寺の佇まいなど昔から変わらぬ風景や伝統文化。外国から来た人が日本にひかれるのはこうした風景だという。観光にもつながるだろう。近年の異常気象の影響で四季の味わいが薄れがち。「春は花 夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて涼しかりけり」という道元禅師の歌をかみしめたい。

 四季のうつろいに目を向け、鳥の声に耳を澄まして暮らそう。「平凡な日々さわやかに初夏の風」。(臼井 学)

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