離婚したい妻83%も? 「夫源病」命名者が講演 世のお父さん注目のデータ

2019.06.26
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講演する石蔵氏=2019年6月16日午後1時40分、兵庫県丹波市山南町谷川で

夫の言動への不平不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる「夫源病」の命名者で、大阪大学人間科学研究所内・未来共創センター招へい教授の石蔵文信さんが16日、兵庫県丹波市山南町で「夫源病について―より良い夫婦関係を目指して」と題して講演した。石蔵さんは、夫婦関係に関する独自のアンケート結果を発表。そこには「離婚を考えている妻は83%もいる」をはじめ、男性にとっては身の毛もよだつようなデータが…。もちろん、円満な夫婦生活を送るためのアドバイスも。石蔵さんが語った内容とは―。お父さん方、必見です。

 

「早く夫が死ねばいいのに」55%…

「離婚を考えることは?」の質問に対するデータを示す石蔵氏

男性と女性の脳の違いを理解した方がいい。男性は狩りをするために空間認識に優れ、目的志向。女性は子どもを産んで育てる機能が発達し、コミュニケーション能力があり、協調性がある。男性は1日6000語、女性は2万語を話す。

男性は自分の生き方を変えるのが難しく、目標に向かっていく癖がある。うつ病の男性は50歳前後が多い。「40歳の時はあれだけ働けたから、もっと働きたい」という人は治りにくい。50歳になったら「ぼちぼちやろか」と思った方が治りやすい。

50歳以上の夫婦が一緒に暮らしているのは、愛情が満ちている訳ではなく、離婚が面倒だから。来院する女性は50―60歳が多い。口々に「夫への愛情は尽き果てた。でも情は残っている」と言われる。定年後、夫は愛情を復活させようと妻を旅行に誘うが、妻は友だちと行きたい。愛情はいらない。愛を追求すると、妻が嫌がるので情だけにしたほうが良い。

私が実施したアンケートで、夫が嫌になった時期は「10年以内」が8割。育児を妻に一任する「ワンオペ育児」が要因。だから、シングルマザーが増えている。子どもが5歳以内の時に離婚している夫婦が多い。私も産後の妻に銀行の振り込みを頼んだことを今でも年に4、5回言われる。自分は覚えていなくても、ひたすら謝ることが大事。

(石蔵氏のアンケートで)離婚を考えている妻は「しばしば」が42%、「たまに」が41%で計83%。「経済的な心配がなければ離婚するか」で、「今すぐ」「近い将来」を含め63・7%。しかし、そうした妻は、▽財産が半分になる▽もめているうちに近所のうわさ話になる―などの理由で熟年離婚を嫌がる。

夫が適当な時にコロっといった方が、▽もめない▽財産が全部もらえる▽近所の人に気の毒がってもらえる―などの理由で早死にを望んでいる妻が結構いる。アンケートでは「早く夫が死んでしまえばよいのにと思ったことがある」が55%いた。

ハーバード大学の教授が「夫を早死にさせる10カ条」として、▽夫を太らせる▽お酒やタバコをすすめる▽塩分の多い食事を作る―などを40年前に提唱した。これらを勧める妻には殺意を感じて。逆に注意する妻には愛情がある。夫は自分で食べる料理は自分で作るのが一番。妻も喜ぶ。

夫の定年後にあらわれる「わしも族」「昼食うつ」

恐怖の「わしも族」も問題。妻が旅行や買い物に出かけるとき、「わしもわしも」と付いて行く。定年後に男性は妻と旅行に行きたがる。妻は友だちと行きたい。3年たったら「1人で行っといで」と言われ、やることがなくなった末に、アルコールに走り、「定年後うつ」になる。旅行などたまにしかできないことよりも、畑仕事やボランティアなど、週3、4回できることを考えて。

定年後の夫は、▽家では無口で不機嫌▽家事を見ているだけ▽妻の外出に口出しする▽精神的暴力をふるう▽家計を細かくチェックする▽妻の趣味に同行したがる―。妻を対等な一個人として見て、妻を名前で呼ぼう。「ママ」「お母さん」はだめ。「あんたを産んだ覚えはない」と言われるだけ。

もう一つの定年後の妻の悩みは「昼食うつ」。11時頃に夫から「昼ごはん何?」と聞かれ、11時半頃に箸を持って食卓に座っている。サラリーマンは定時に食べる癖がついている。これは、夫が昼食を作れば簡単に解決する。妻から尊敬され、自立でき、妻と料理の話ができる。

家は「劇場」、妻の満足度を上げよ

もう一つの妻の悩みは、夫が話を聞いてくれない。夫の方は「妻の話はくどくて聞けない」「アドバイスを考えているうちに話題が変わって聞きにくい」などと思っているが、アドバイスは必要ない。聞いているふりをするだけでいい。

女性は1日に2万語話さないといけない。外で1万語以下ならストレスがたまる。家で5000語以上は話させないといけない。それには妻が話したことをそのまま返す「必殺オウム返し」がいい。10分ほど聞くだけで5000語ほどになる。

言わなくても分かるだろうと思わず、「いってきます」「ただいま」「いただきます」など基本的なあいさつをする。食後は味のことを言わず、「おいしかった」だけ言う。考えてはいけない。イタリア人になりきって、嘘でもハグして「愛している」と言えば効果的。家は「劇場」だ。

妻は容姿が変わっても心は乙女。髪型を変えたら、「素敵だね」とすぐに言うこと。妻に注目することが大切で、注目していることが妻の満足度を上げる。妻は自分が選んだ髪型に満足している。満足感を高めるほめ方は一つ。「似合ってるね」。

食べ終わったら、「おいしかった」。髪型、服装は「似合ってるね」。とても簡単なこと。考える必要はない。

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