82歳ドライバー、交通安全功労で賞 苦い事故経験胸に46年啓発 「いずれは免許返納か踏み間違え対策も」

2019.06.25
ニュース丹波市地域

緑十字金賞の表彰状を手にする谷垣豊さん=2019年6月13日午前11時17分、兵庫県丹波市青垣町佐治で

長年に渡る交通安全活動に功労があったとして、兵庫県丹波市の丹波交通安全協会元青垣支部長の谷垣豊さん(82)に、警察庁と全日本交通安全協会から「緑十字金賞」が贈られた。交通安全の啓発に携わって46年。「いつの間にか50年近くになったなあ」と静かに喜びを語った。

同賞は、無事故、無違反歴による優良運転者部門と功労者部門があり、同市内で功労者部門で金賞を受けるのは、平成以降初めて。

36歳の時に、町に頼まれ交通委員になった。自家用車の普及が進む時代で、交通安全意識の高揚に行政も力を注いでおり、谷垣さんら代議員が10人ほど、各集落に数人ずつ交通委員がいた。委員を集め120―130人規模の一般向け交通安全教室を開いていたという。

毎月1、15日には、近くの小学校前や自宅のある地区で交通立ち番。学校の交通安全教室にも参加した。私服で活動していたが、昭和の終わりごろに制服を作ったことを覚えている。

1986年に氷上郡(現・丹波市)交通安全協会の理事になり、98年から2015年まで青垣支部長を17年務めた。現在も支部の理事を務めており、全国交通安全運動の広報などに出務している。

20歳の時に起こした追突事故の苦い経験から、安全運転を心がけており、「交通法規を守るだけ」ときっぱり。「検査を受け、勉強もし」(谷垣さん)、先日、運転免許を更新した。「田んぼに行くのに乗るだけやけど、車が必要という人があるように、田舎で車なしの生活はなかなか難しい」と言い、「自分もいずれは免許証を返納するか、アクセルとブレーキを踏み間違えない対策を車にするか、考えないと」と話していた。

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