市長の”天気”予報中 秘書課がHPで「気分」公開 「晴れ」~「雪」5つの顔

2020.02.02
ニュース丹波篠山市地域地域

市長の天気予報で使用されているイラスト「かみなり」

兵庫県丹波篠山市のホームページ内に、「市長のお天気予報」というコーナーがある。同市の酒井隆明市長がきょうの天気を予報するのではなく、同市秘書課の職員が市長の日々の「天気=気分」を伝えるもの。このご時世、なかなか”とがった”取り組みだが、予報される側の酒井市長は、「市民の中には、『市長は毎日怒っている』と思っている人がいるそうだが、ニコニコしている日の方が多いと知ってほしい」そう。予報を始めた真意は?―。

市長の天気予報のイラスト「晴れ」「くもり」「雪」「雨」(左上から時計回り)

酒井市長のイラストを使った予報は、▽晴れ(とてもごきげん)▽くもり(少しもやもやとした気分)▽雨(ごきげん斜め)▽かみなり(かなりご立腹)▽雪(かなしく落ち込んだ気分)―の5パターン。同課の職員がほぼ毎日更新しており、一日のうちに「晴れ」から「かみなり」に変わった場合などには、状況に応じて変更しているという。

さまざまな出来事と連動していることが多く、たとえば1月20日の天気は「晴れ」。戦国武将・明智光秀を主人公にしたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が前日に始まったことを受け、光秀ゆかりの地としてPRを進めている期待感を紹介している。

一方、1月28日は「雪」。前日に開かれた中核病院の分娩休止問題を巡る市と医大、県の3者協議で、議論が進展しなかったためで、昨年8月からの開始以降、”初雪”を観測した。

これまで一番多かったのは晴れで、くもり、雨と続き、かみなりは2、3回という。

同課によると、予報を始めたきっかけは、職員から「今日、市長どう?」という問い合わせが以前から何度かあったことだとか。ある意味、”おうかがい”ともとれるが、酒井市長は、「職員は市民の一番の奉仕者。その職員が仕事を放っておいたり、市民のことを考えて仕事をしていない時には怒ることもある。ただ、いつも怒っているわけではないし、一生懸命仕事をしてミスをしても怒らない」と説明。「私は基本的に温厚だと思っている」と続ける。

同課から予報を始めたいと提案があったときには、「何か誤解されては困る」とちゅうちょしたが、「せっかくの提案」と引き受けたという。同課は、「予報ができるくらいの関係ということを知ってもらえれば」と話す。

当初は市役所内部向けを想定していたが、酒井市長が外部に向けても公表することで、市内で起きているさまざまな出来事を伝えるきっかけにもなると考えた。市内の出来事は、ホームページ内の「市長日記」でも公開しており、日記の気分を紹介する「アイコン」のような意味もあるという。

酒井市長は、「ある意味”自虐ネタ”。くれぐれも『ユニークな取り組み』と思って楽しんでもらえたら」と念を押している。

関連記事