「村雲登山部」代表 加古勝己さん(丹波篠山市上筱見)

2020.11.22
たんばのひと

加古勝己さん

山の楽しさ伝えたい

丹波篠山市の旧村雲小学校のPTA役員仲間と2015年に立ち上げた「村雲登山部」。今では市が作成した「登山マップ」に掲載している登山コースの状況調査事業を受託。危険個所はないか、案内標識がなくなっていないかなどを確認し、市に報告する。コース上の朽ちた小さな橋を手作業で修復したこともある。同部は多紀連山を中心に市東部の山々を主に担当。市と一緒に山の魅力や山歩きの楽しさなどを伝える動画も撮影している。

自宅は人気コースの一つ、筱見四十八滝の登山口の近く。新型コロナウイルスの影響で、密を避けるレジャーとして登山を選ぶ人が多いからか、一時期、筱見四十八滝を訪れる人も増えた。道に迷った登山者を救出に行くこともある。軽装で登っていたり、夕方から登り始めたりするなど、それなりに原因はあるが、下山する道中では見どころや魅力を伝え、「これに懲りず、また来てね」と笑顔で別れる。「遭難記念写真を撮ってと言われたこともある」と笑う。

祖父は山伏だった。祖父が愛用していた錫杖が残っている。「山に行くことが好きで、コースの状況調査や山の魅力を発信するお手伝いができているのは、むしろ楽しいくらい。その楽しさを多くの人に知ってもらいたい。祖父の“血”ですかね」

同部も協力し、多紀連山アルペン協議会が今年、「丹波篠山多紀連山縦走大会」を計画していたが中止に。「自分自身もやりたかったこと。来年はぜひやりたい」とコロナ収束を願う。「丹波の魅力は、やはり自然。四季で自然の色もはっきり変わる」。本職は陶芸家。作品にも山から感じる丹波篠山らしさがにじみ出る。55歳。

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