明智光秀潜んだ伝承も 山中にたたずむオオイチョウ 色づきは麦栽培の目安にも

2020.12.06
ニュース丹波市地域地域歴史

高山寺跡に残るオオイチョウの前で記念撮影する参加者たち=2020年11月23日午後1時12分、兵庫県丹波市氷上町内で

兵庫県丹波市の氷上町中央地区自治振興会の有志11人がこのほど、近くの弘浪山(519・9メートル)に登り、山頂近くにある高山寺跡を訪ねた。同寺跡にひっそり今も残るオオイチョウに、明智光秀が隠れていたという言い伝えを聞いたことがある人がおり、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が放映している間にと、訪ねることにした。

山岳ガイドの中辻郁美さんの案内で登山。途中に切り立った断崖「盗人崩し」から、氷上町内の眺望を楽しんだ。

761年に開かれた同寺は戦火や雷、台風で何度も焼失・破損、再建を繰り返し、1958年(昭和33)に現在地の同町常楽に移った。天正年間の光秀による丹波国平定戦「丹波攻め」の際にも焼失したと伝わっており、その時に光秀がオオイチョウの陰から寺が焼けるのを見ていたという真偽不明の伝承がある。

参加した男性(74)は、「昔は平野部からイチョウが見え、イチョウの色づきを麦栽培の目安にしていた。3年ぶりぐらいに登ったけれど、登るたびに周囲の木が成長し、うっそうとした感じが強くなっている」と話していた。

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