演技派 子育て中の野鳥「ケリ」 ヒナ守るため「擬傷行動」 狙うなら私を

2022.04.18
自然

傷ついたふりをして注意を引き付けるケリ。近くにヒナがいるよう=2022年4月18日午後6時20分、兵庫県丹波篠山市内で

兵庫県丹波篠山市内の水田に、「キキッ、ケケッ」と鋭い鳥の鳴き声。明らかに近づくものを威嚇しているのは、野鳥の「ケリ」だ。

全長36センチほどで、脚が長く、背や翼が灰褐色、腹は白色、胸は黒い。鳴き声が「ケリッ」と聞こえることが名前の由来。営巣中はほかの鳥や人などが近くを通ると、けたたましい鳴き声を上げながら襲い掛かるほど気が強い。

遭遇したケリも子育て真っ最中のよう。ヒナが近くにいるのか、鳴き声を上げながら、ぶつかるかと思うほどの距離で突っ込んでくる。

かと思うと数メートル先に降り立ち、肩をいからせるようなポーズ。「擬傷行動」と呼ばれ、「ヒナを狙うよりも、けがをしている私を狙って」という行動。子を守るため、命がけの演技だ。

親鳥の必死な姿に申し訳ない気分になり、数枚、写真を撮らせてもらって早々に引き上げる。悪さはしないから、また、元気なヒナの姿を見せておくれ。

【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)

関連記事