「関係人口」を村の力に 市が「案内所」開設 第二の故郷づくりにも

2022.09.16
地域観光

関係人口と村をつなぐ「丹波篠山つながり案内所」=兵庫県丹波篠山市北新町で

兵庫県丹波篠山市はこのほど、外部の力を借りたい地域と、地域に関わりたい外部の人をマッチングしてつなぐ「丹波篠山つながり案内所」を、同市ブランド戦略課内に開設した。みこしの担ぎ手やイベントへの参加、地域の魅力発信など、地域が抱えるさまざまな課題に外部の力を呼び込むことが期待でき、外部の人にとっては観光よりも踏み込んだ体験や第二の故郷づくりなどにつながるという。

移住者(定住人口)でも観光者(交流人口)でもなく、市外に暮らしながらもその地域が好きで、関わりたい人(関係人口)と地域をつなぐ。兵庫県では2020年度に「ひょうご関係人口案内所」が開設されている。

同案内所では、関係人口を呼び込みたい集落やまちづくり協議会、団体などからの相談を受ける。農業や集落の行事の人手不足対策や盛り上げの創出などを想定している。

並行して、市ホームページやインスタグラムなどの交流サイト(SNS)から丹波篠山に関わりたい人を募集。ホームページのフォームでは、つながりたい地域のほか、地域課題の解決やイベントへの参加、ふるさと納税など、関わりたい内容を入力してもらうなどし、双方の希望を照らし合わせる。

市内ではこれまでにも、獣がい対策イベント「さる×はた合戦」や、神戸大学や企業などが集落に入るなど、地域の課題をイベント化し、地域の活性化につなげる取り組みが展開されており、同案内所の開設で、新たな関係人口を生み出したい考え。

背景にあるのは人口減少と高齢化によって、集落のさまざまな要素の維持が困難になっていること。酒井隆明市長は、「人口減を止められない中で集落を未来につないでいくためには、つながりのある人の力を借りて盛り上げていくことが重要」とし、「さらに仕組みを良いものにし、内外にPRしていきたい。地域の皆さんも、ぜひ『こんなことが必要』という相談を寄せてもらえれば」と呼び掛けている。

関連記事