給食残飯を分解 小学校で処理器「キエたん」導入 生ごみ減量とSDGs考える

2023.05.26
地域

施設管理員がキエたんの中に給食の残飯を入れる様子を見守る児童たち=兵庫県丹波市春日町朝日で

兵庫県丹波市立船城小学校が、間伐材を生かして作った生ごみ処理機「キエたん」を導入した。給食の残飯の処理時に使用しており、同市の課題になっているごみの減量化につなげながら、児童が持続可能な開発目標(SDGs)を学ぶきっかけにする。

キエたんは、同市春日町平松地区を拠点に活動する「平松区森林愛好会」が、地域の山などで間伐した木材を使って製作、販売している。生ごみを埋めるだけで、土の中の微生物の働きで分解する。通気性が良いため、臭いは発生しない。

昨年度の3学期、同校は「ふなキッズSDGs」と銘打ち、▽給食を残さず食べる▽電気を小まめに消す▽水を出しっぱなしにしない―などの目標を学年ごとに設定し、実践してきた。「実際に何か継続的に行動していくことで理解が深まるのでは」と考え、SDGsの実践につながるきえタンを、市教育委員会の補助を受け、今冬に導入した。

底付きの標準タイプ(幅100センチ、奥行き60センチ、高さ75センチ)の2つを児童玄関の横に設置。給食の残飯が出ればまとめ、同校の施設管理員がスコップで穴を掘り、埋めている。6年生の児童は「食べ物が分解されて、無駄にならないから良い。給食を残さないように意識するようになった」と話す。

足立正徳校長は「捨てられないものは、ミカンの皮や野菜の芯などの一部。元々よく食べる子たちが多く、残すことは少なかったが、出ている残飯の量はさらに減っている」と言う。今年度は、学年に応じ、総合的な学習や生活科の授業でSDGsを取り入れる方針で、「SDGsについて考える良い入り口になる」と期待している。

市内の小中学校では、大路小学校も、市教委の補助を受けてキエたんを導入。今後使用していく予定という。

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