南インドの日常活写 25カ国旅した32歳が写真展 穏やかな生活・人柄垣間見る

2023.12.23
地域注目

南インドの人たちのありのままの表情や日常を切り取った写真を展示している小崎さん=兵庫県丹波市氷上町絹山で

世界約25カ国を旅した小崎慎也さん(32)=兵庫県丹波篠山市=が、南インドの人々を撮影した写真を、ライブラリーカフェ「mamimumemo BOOK BOOK」(同県丹波市氷上町絹山)で展示している。自身初の写真展。日常を切り取った自然な表情からは、南インドの人たちの穏やかな生活ぶりや人柄が垣間見られる。27日まで。入場無料。

今年1月に約1カ月滞在する中で撮影した約150枚を展示。仕事を終え、酒を飲みながら仲間とトランプに興じる漁師、海辺で夕日を見ながらぼーっとする男性たち、祭りに訪れていた2人の女の子―。どの写真も、緊張感のない自然な表情が印象的だ。

町中や海辺、祭り、バスの中などでカメラを向けた。見ず知らずの人でも被写体として撮影して良いか問うと、8―9割が快諾してくれたという。「カメラが現地の人と交流できる『タネ』にもなった」

 ワーキングホリデー先のニュージーランドで出会い、力強い生き方に刺激を受けた日本人女性も紹介している。

「不自然なものは好きじゃない。感情と顔が合っている表情に引かれる」と小崎さん。南インドの人からは「生きる強さを感じた」という。

元々好奇心が旺盛で、大学2年の時、2週間の国際ボランティアでモンゴルを訪れた。「地図を見ながら、記号で示された目的地にバスでたどり着けると、RPGゲームのようで楽しかった」。心躍った異国での滞在経験を機に、いろいろな国に行きたいと思うようになった。

大学3年から休学し、翌年4月からおよそ10カ月かけて世界を一周した。アジアやアフリカ、ヨーロッパの14カ国を回り、「違う世界を見たい」と一層強く思うようになった。卒業後は京都で人力車夫として約2年勤めた。「営業から案内まで、自分1人で完結できる人力車の仕事にやりがいを感じた」

その後、メキシコやキューバなどの中米や、スペインを自転車で旅した。27歳で丹波篠山市にUターンし、農業や山小屋生活などにも挑戦。現在は、スペインから仕入れた専用マシンで揚げるポテトチップスを提供する店を、「ポテキチ」の屋号で各地のイベントに出店している。

写真展は、同カフェを営む足立真美さんとマルシェ出店を機につながり、実現した。カフェとしても初の写真展。足立さんは「温かさや(小崎さんの)人柄を感じる」と顔をほころばせる。

小崎さんは「まだ訪れていない中東やアフリカの国々に行きたい。『ポテキチ』も続けたい。あちこちに行けるのは楽しい」と目を輝かせる。

同カフェの営業時間は午前10時―午後5時。木・金曜定休。最終27日午後5時半からは、小崎さんと参加者で「旅」について語り合うイベントを開く。チャイ付きで1000円。先着15人。

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