引きこもりや不登校を支援 竹安恵さん(丹波市柏原町)

2024.02.04
たんばのひと

竹安恵さん

子に合う学びの場を

引きこもりや不登校など、生きづらさを感じている人を支える活動に力を注いでいる。不登校の子の保護者の集い「氷上子育て親の会」、学校に行きづらい子が学んだりできるフリースクール「FRSC」、さまざまな悩みを抱える若者を支援するNPO法人「たんば子ども若者支援ネットワークえん」など、複数の団体で中心的な役割を担う。
計37年間、県内の養護学校などで教員を務めた。不登校の児童、生徒のケアにも当たった。
自身の子も不登校だった。ある日、不登校だった子の保護者から、「相談し合える場を設けてほしい」と依頼を受けた。同じ境遇にある家庭が身近に多くあることを知るきっかけになったという。1998年、当事者の親たちが語り合う「氷上子育て親の会」を立ち上げた。
設立から26年、当事者の親には自身が経験したことは伝えるが、アドバイスはしないように心がける。経験上、当事者は親からの細かな指示を好まないケースがあり、自身の助言通りに親が指示して親子関係が悪化すること防ぐためという。「子の不登校を受け入れ、立ち直ることを信じて本人の成長に任せよう、というスタンス」
不登校の子が、学校に戻ることだけが“成功”ではないと考える。一方で、学校以外に学びの場が少ない状況があり、2021年、元教員と共に「FRSC」を設立。「環境が合えば、成長していく」と力を込める。
全国には、通っている子が一日の予定を決めるフリースクールが多いという。「まだまだ、うちは“学習塾”に近い。自分がどうしたいのか、どう生きたいのかを考える意味でも、子どもたちに決めてもらうスタイルにしたい」。72歳。

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