歴史感じ歩く 明治期のトンネル開放 レンガ積みは国内最古

2024.04.07
地域歴史注目

明治期に完成したトンネル内を歩く人=2024年4月6日午前10時58分、兵庫県丹波市柏原町上小倉で

兵庫県丹波市と丹波篠山市を結ぶ「鐘ヶ坂トンネル」がきょう7日まで、一般開放されている。1883年(明治16)に完成した、レンガ積みとしては国内最古のトンネル。普段は入ることができないとあって、初日の6日には地域住民や歴史好きらが集い、往時に思いを馳せながら歩いていた。

近くに昭和と平成に完成したトンネルがあり、最も古いレンガ積みのトンネルは「明治のトンネル」として親しまれている。かつては交通の難所だった場所で、通行や物資の輸送に困難を極めていたという。

丹波市側の入り口

延べ6万3000人が工事に携わり、2年10カ月をかけて完成した。日本では5番目に作られたトンネル。丹波篠山市側の入り口には明治維新の立役者、有栖川宮熾仁親王の「事成自同」、丹波市側には三条実美の「鑿山化居」の石造扁額が掲げられている。長さ268メートル、幅4・5メートル。

天候に恵まれた6日、外は陽気に包まれていたが、トンネル内はやや肌寒かった。10メートルおきにあんどんが置かれ、通行者は薄明りの中をゆっくり進んだ。懐中電灯で内部を照らしながら、じっくり観察する人もいた。

地元から参加した女性(76)は、「小学校時代、遠足で何度も通った。当時は大きくて広いなあと思っていたけれど、今改めて見ると少し小さく感じました」と話していた。

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