幻想的に バルーンランタンで浮かべる 「足立さん」日本一のまち

2023.09.02
地域注目

橙色の明かりが幻想的な雰囲気をつくった体育館内=兵庫県丹波市青垣町山垣で

「足立姓」の集中率が日本一高い、兵庫県丹波市青垣町遠阪地区で、2回目の「全国の足立さん集まれ祭り」(同実行委員会主催)が開かれた。旧遠阪小学校を会場に、中にLEDランプを入れた風船を浮かべる「バルーンランタンDEナイト」を実施。雨予報のため急きょ、グラウンドから体育館に場を移したが、約50人が浮かべる温かな光で幻想的な空間に様変わりした。

ふわふわと浮かぶ風船に薄用紙で作った筒状の袋をかぶせ、LEDライトの明かりがぼんやりと映るように工夫した。

和太鼓の音で一斉に会場の電気を消すと、辺りの雰囲気が一変。橙色の温かな明かりがいくつも浮かび、参加者は「きれい」などと歓声を上げて喜んだ。

実行委員長の足立喜信さん(67)は、「体育館は風がないから、かえって良かったかもしれない」と笑い、「大成功。これからも足立の歴史を伝えていけたら」と話していた。

このほか、同地区の足立姓の始祖、足立遠政の供養と、火の神「愛宕さん」を拝む習わしを行った。遠坂村探究会の平岩泰典さんによる足立遠政にまつわる歴史の話などもあり、盛りだくさんの内容だった。

昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、源頼朝を支える御家人の1人として描かれた足立遠元の孫、遠政が扶植したことで、800年たった今も「足立姓」が多い同地区。遠政が1209年、鎌倉幕府から佐治庄の地頭頭に任命され、山垣城を築いたのが、「丹波足立」扶植の始まり。足立氏は、武蔵国足立郡(東京都足立区、埼玉県北足立郡辺り)を所領としていた。遠政は青垣地域にいくつも出城を置き、一族を配置。生活のために帰農した武士が「名字を持った農民武士」、やがて農民になり、足立姓が広がった。

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