兵庫県丹波篠山市今田町の農業倉庫の屋根で、イソヒヨドリの巣立ちびな3羽が、にぎやかに「ヒッヒッ」と鳴いて親鳥に餌をねだったり、きょうだいで餌を奪い合ったりする姿が見られる。屋根や電線の上でちょこまかと動き回る3羽の巣立ちびなを確認。親鳥が戻ってくると姿勢を低くし、羽をばたつかせながら鋭く鳴いて餌をせがんでいた。
1時間半ほど観察したところ、餌を運んでくるのは雄ばかり。餌の中身はガやイモムシ、カエルが確認できた。カナヘビを運んできた際、受け取ったひなは、他のきょうだいに取られまいと慌てるようにして丸のみにしたが、大き過ぎたため、くちばしから長いしっぽがだらりとはみ出す始末。それを見つけた他のきょうだいが「私にもちょーだい」と言わんばかりにぴょんぴょんと跳ねるようにして駆け寄り、取られまいとするひなと追いかけっこになっていた。
巣立ち後、20日間前後、親鳥から餌をもらいながら過ごすという。
全長23センチほど。もともとは海辺にくらす鳥で、内陸の丹波地域では、一昔前までは見られなかったが、建物の屋根の隙間などで繁殖するようになり、20年ほど前からよく観察される身近な鳥になった。
雄は頭からのど、背中にかけて鮮やかな青色で、腹が赤茶色という目立つ姿をしているが、雌は全体的に灰褐色で地味。巣立ちびなの姿は雌に似る。名前にヒヨドリとあるが別種で、ヒタキ科。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)