厄除祭前の寒波襲来の折、富山の凄い吹雪のテレビ画面を観て、金沢の知人に見舞いのメールを出したら、「意外に少なく、2程です」。間もなく地元の北国新聞の切り抜きを同封した手紙が届き、「11月1日~2月9日の累積降雪量は富山市252に対し金沢118」との記事。▼平年値では金沢は富山の7割強といい、これなら確かに、50年近く前に金沢に住んだ筆者の記憶にぴったりだが、今冬が半分以下というのは驚き。「金沢は北西方向に山がないため、雪雲が停滞せずに流れるため大雪になりにくい」と解説されていたが、これほど差が生じたのは、やはり昨今の気候変動の影響だろうか。▼筆者は新潟市内にも住んだことがあるが、山間部の日本有数の豪雪地帯に対して、沿岸部にある新潟市は冬の天気こそ悪いものの、積雪量は丹波と余り変わらないことを知った。東京からの天気予報の雪マークを見ている限り、気付かないことだった。▼冬場に丹波から大阪、神戸の人の所に行くと、決まって「雪は大丈夫?」と聞かれる。丹波は一応「兵庫南部」なのに、彼らの感覚ではやはり「日本海側」なのだろう。▼昔、先輩記者から複眼で取材しろと教えられた。物事には表と裏、光と影どころか、さらにさらに複雑多様な側面がある。レッテルを貼るのは禁物。(E)