女子サッカーワールドカップ

2015.07.08
丹波春秋

 女子サッカーワールドカップ。米国との決勝戦は完敗したが、なでしこジャパンはよくやった。しかし、パワーもスピードも力の差は歴然としていた。▼2011年、粘りに粘ってPK戦に持ち込み勝った時は、米国は強いものの多分に隙があり、そこを日本にうまくつかれたのだが、「絶対こんなはずはない」と悔しがった彼女らは、4年かけて対策を練った。それが今回現れた正確さだろう。▼開始3分、コーナーキックからの低く鋭いボールを後ろから走り込んできたロイドがズドンとゴールに放り込み、この1球で日本はすっかり浮足立った。それから10分余りの間に、あれよあれよとさらに3失点、自分を取り戻した時はもう遅かった。▼4年後に逆襲するには、こちらがこの屈辱をバネに修練を積むしかない。他の大型チームもこの米国の姿を手本に励むはずだ。体格の差はどうしようもないとすれば、個人個人が小柄なりにスピードをつけると共に、持ち味の組織力の精度を一層高めること以外に道は開けない。▼試合後、大儀見が「なでしこはおかしなチーム。個性的な人ばかりだが最高」と話した。本当に魅力的な彼女たちだが、かと言って決して仲良し組でもなさそうだ。キャプテン宮間の、涙とも汗ともわからぬボロボロの粒まみれの顔に次を託したい。(E)

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