春日町の出版業「あうん社」から先ごろ発行された本『手のひらの宇宙・7号』に、「丹波は女子高校野球の聖地」と題した文章が載っている。
筆者は市島町の坂谷高義さん。毎年、市島で開催されている全国高校女子硬式野球大会を支える屋台骨の一人だ。
2000年春、スポーツピアいちじまのオープンイベントとして第1回の選抜大会が開催された。坂谷さんをはじめ同町内の有志たちが高校女子野球連盟に働きかけ、町行政の応援も得て大会を実現させた。
出場したのは8チーム。なかにはソフトボール部による急造のチームもあった。高校の女子硬式野球は当時、黎明期にあった。その後、女子スポーツが興隆。硬式野球に取り組む女子高生が増え、今年、市島で開催された夏の大会には26チームが参加した。
市島町に甚大な被害をもたらした3年前の豪雨災害で、関西圏から現役の女子球児やOGらがボランティアに駆けつけた。初の大会から14年の歳月に、市島は女子球児の聖地となっていた。
しかし今、聖地の存続に危機が訪れている。夏の大会を我が町に誘致したいという動きが各所で見られるようになったのだ。今後も聖地であり続けるには市民あげての盛り上がりが必須。「女子の甲子園は丹波にあり」と、内外に発信できる体制を築きたい。(Y)