ブッシュ氏とケリー氏が争ったアメリカ大統領選挙では、両候補の「まばたき」が勝敗の分岐点になった。

2006.12.27
丹波春秋

ブッシュ氏とケリー氏が争ったアメリカ大統領選挙では、両候補の「まばたき」が勝敗の分岐点になった。第1回目の公開討論会でブッシュ氏はやたらとまばたきが多かったが、2回目以降はまばたきが減った。すると、ケリー氏に水をあけられた1回目ほどの差がつかなくなったらしい。▼公開討論には一つの法則がある。「討論後の勝敗の印象を尋ねる世論調査では、まばたきが多かった方が負ける」。公開討論での優劣を決めるのは、話の中身以外の要素が大きいことを示す法則だ。▼心理学に、「顔の表情が55%、声の質や大きさが38%、話す言葉の内容が7%」という説がある。人が他人から受け取る情報の割合を示すものだ。言葉よりも、話をしている人の表情や声の方がより多くの情報を伝える。▼このことを小泉首相は心得ているとみえ、表情や声でのアピールにたけている。それは、まばたきすらも映し出すテレビを意識してのものだろう。実際、歴代首相の中で一番テレビを見ているのは小泉首相らしく、まばたきの法則をはじめとした効果的な情報伝達を研究しているに違いない。▼中曽根康弘氏はテレビを槍玉に挙げ、「中身よりも見る政治」が今日の政治を浅くしたと嘆いている。小泉首相をにらんだ発言だろう。そんな中曽根氏の首相在任日数を小泉氏が超えた。(Y)

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