「丹波の赤鬼」の名で知られた丹波国の戦国武将・赤井(荻野)悪右衛門直正と、丹波国を攻めた際に直正と激闘を繰り広げた明智光秀。2020年のNHK大河が光秀を主人公にした「麒麟がくる」に決まる中、両者のゆかりの地巡りを楽しんでもらおうと、兵庫県丹波市の丹波観光協会が「明智光秀と赤井(荻野)直正ゆかりの地MAP」を制作した。直正の居城・黒井城(同市春日町)下の町並みの特色や、まち歩き地図などが両面に掲載。観光客らの手引きとして活用できる。
天正年間、光秀は織田信長の命を受け「丹波攻め」を行った。迎え撃った直正は、のちに「赤井の呼び込み戦法」と呼ばれる策で光秀を翻弄(ほんろう)し、退却に追い込んだ。数年後、再び光秀が来襲した際には直正は病死しており、光秀の猛攻によって黒井城は落城した。
マップはB3サイズで折り畳め、持ち運びに便利。両者をしのぶおすすめコースを紹介しているほか、光秀に火あぶりにされた人らの魂を鎮める社など、これまで研究家以外にあまり知られていなかった伝承や場所なども掲載。同時代を生きた人々も紹介し、丹波攻め成功のあと戦後処理に当たった光秀の重臣・斎藤利三や娘の春日局、「本能寺の変」で森蘭丸の首をはねたと伝わる四王天政孝などの経歴も載せている。
来年の大河ドラマ放映にあたり、ゆかりの地を調査しようと制作。同市内のかいばら、かすが、あおがきの観光案内所で無料配布している。