2006年の幕が開いた。今年の丹波地方を展望したとき、小学校の統廃合問題がクローズアップされることになりそうだ。住民レベルでも本格的に議論が始まる一年になると思われる。▼小学校が19校ある篠山市では、小規模校が多く4校が複式学級を取り入れている。市議会では、統廃合や通学区変更について調査する特別委員会がつくられ、協議した案を今年春ごろにも報告する予定だ。▼その案は、丹波市にも少なからぬ影響をもたらすだろう。25校の小学校がある丹波市では今のところ複式学級はないが、近い将来、複式学級を採用せざるを得ない学校が出てくる見込みだ。丹波市でもすでに統廃合問題についての調査検討が始まっている。▼小学校はそれぞれの地域のシンボルだけに、統廃合は地域の再編成にもつながる大きな問題だ。卒業生の愛着も深く、母校が統廃合の対象になると、感情的な抵抗も出てくるだろう。わが村の行く末や愛校心などもからむため、複雑さが増す。▼しかし、統廃合問題で最優先するべき視点は、子どもたちの心身の成長にとってどのような教育環境が望ましいかということだ。小規模校の課題は何か、その課題解決には統廃合しかないのか、統廃合の良さと問題は何かなど、教育の識者も交えながら議論を深めることが大事だ。(Y)