少子化のため、子どもの数よりも、用意したプレゼントの方が多くなり、処理に困ったサンタクロースが街角で「プレゼントセール」を開く-。本紙の前号に載った4コママンガ「たんばがくえん」のストーリーだ。▼少子化をネタにした面白いマンガだったが、少子化そのものは笑い事ではない。丹波地域でも少子化は深刻で、1人の女性が生涯に産む子どもの数をさす合計特殊出生率は丹波市で1・53。篠山市では1・23と、全国平均の1・29より下回っている。▼少子化にはさまざまな理由がある。たとえば、結婚したいときが結婚適齢期であり、結婚は年齢に左右されないという価値観の浸透。就職しても親と同居し、収入を家に入れず、家事は母親まかせという気楽さ。結婚しても、子どもを産まないという選択が認められる社会的風潮。▼まだ、ある。長期の経済停滞などによる、結婚をする余裕のない若者層の増加。女性は出産すれば、仕事を辞めるのが当然視されている職場環境。高学歴化の進行で、1人の子どもに要する教育費の増加。などなどの理由から、子どもを産みたくても産めない夫婦が増えている。▼少子化対策は国の施策に負うところが大きいが、地域としても知恵を絞りたい。子どもに夢を運ぶサンタクロースを手持ち無沙汰にしないためにも。(Y)