一石投じた句

2019.03.28
記者ノート

 「母の日に なんにもしない それがうち」―。篠山市の岡野小学校4年の青木舞佳さんの詠んだ俳句が、「佛教大学小学生俳句大賞」で選考委員特別賞を受賞した。

 青木さんは一言でいえばサッパリした子。こちらの質問にも芯をとらえてきれいに打ち返す。かといってクール過ぎるというわけでもなく、表情や言葉の端々には愛嬌がある。「お母さんには何も言わない。でも、感謝してる」と言った時のはにかんだ顔が印象的だった。取材を終えた後は、下駄箱まで見送ってくれ、「今日はありがとうございました」とまで言ってくれた。

 じっくりと句を眺めた時、性格がよく出ていることと同時に、本人にその考えはないと思うが、「時代に一石を投じているなぁ」と思った。

 母の日だけでなく、クリスマス、バレンタイン、最近ではハロウィン―。いろんなイベントがあるが、時として、世の中の“空気”に強要されていることはないだろうか。

 流されやすい人が多い中、自分の意志をきっちりと言える青木さんに拍手を送りたい。そして、そんな彼女の個性を認めるご家族や先生方にも。(森田靖久)

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