明智光秀を主人公とする来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放映を前に、兵庫県丹波市観光協会は、「丹波攻め」で激しい合戦を繰り広げた光秀と「丹波の赤鬼」赤井(荻野)悪右衛門直正に関連する市内の史跡や人物などを紹介したガイドブック「丹波市でめぐる明智光秀と赤井(荻野)直正ゆかりの地ガイドブック」を発行した。1000冊限定で販売している。
天正年間、織田信長の命を受けた光秀が、丹波国平定戦「丹波攻め」を繰り広げた。同3年、丹波国に覇を唱えていた赤井直正との戦いでは、直正が光秀軍を挟み撃ちにする戦法「赤井の呼び込み戦法」を展開し、光秀は敗走。この作戦は、同県丹波篠山市の八上城主・波多野秀治が赤井方に寝返ったことに起因するともいわれ、直正と秀治との間にかねてからの密約があった可能性もあるという。光秀は同6年、再び黒井城を攻め、直正を病で失っていた赤井方は敗れ、黒井城は落城した。
同協会は昨年、光秀と直正の「ゆかりの地マップ」を作製。今回、「マップ」には収録し切れなかった内容を掲載した。
寺社や城跡など計50カ所以上を載せ、それぞれのエピソードを紹介し、写真付きで分かりやすくまとめている。それぞれに「重要度」を星マークで記し、光秀や直正とのゆかりの深さを表している。
また、「主要人物」として、光秀や直正はもちろん、光秀の重臣で「丹波攻め」の戦後処理に当たった斎藤利三のほか、利三の娘で3代将軍徳川家光の乳母・春日局など関連人物の生涯を紹介している。
同協会は「来年は光秀が主人公のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が放映される。丹波市にも光秀ゆかりの地が多くあり、ガイドマップを見て足を運んで戦国時代に思いをはせてほしい。赤井直正のことも市内外の方に、もっと知ってもらえれば」と話している。
1冊1000円(税別)で「マップ」も同封する。市内の観光案内所などで販売しているほか、郵送にも対応し、送料込みで1350円(税込み)。同協会(0795・72・2340)。