長崎県佐世保市で起こった小6女児殺傷事件、「偶発的な事故かもしれない」と当初は見ていたが、そうではないようだという報道が徐々になされるのを見るにつけ、やるせない気分になる。いかに現実離れした事件でも、起こった事は事実として、受け止め、「教訓」とするしかない。 「学校、地域、家庭の連携」が言われる。逆説的な言い方だが、この三者以外に子どもを取り巻くものがあるだろうか。三者とは「社会」だ。全体で取り組む以外にない。 連携には、三者が三者の役割をそれぞれ果たしていることが前提になる。学校は学校として、外部の目にさらされ、学校の役割を果たそうとしている。地域も、「子どもを守る110番の家」や、登下校の見守りボランティアのような取り組みが広がっていて、役割を果たす機運が高まっている。 さて、肝心の「家庭」はどうだろう。プライバシーという柵に囲まれ、外から伺い知ることができない。三者連携の鍵は、家庭にあると思う。家庭が役割を果たし、「三者連携」がうまく機能すれば、今後、幾つかの事件の発生を防げるかもしれないし、こんな嫌な世の中でなくなる日も来るかもしれない。(足立智和)