「優しい」スポーツ

2007.01.31
未―コラム記者ノート

足首が少し痛い。先日、参加したバレーボール大会でひねった。少し離れたボールをレシーブしようと、気持ちだけが前に出てしまったようだ。その頃テレビで放映されていた全日本バレーボールの試合に影響され、張りきり過ぎたかもしれない。スポーツ選手はよくスポーツ人生をけがとの闘いだという。篠山市で小、中学生を対象にした野球塾を開いている火置さんは、スカウトされ、社会人野球の強豪チームに入団。関西大学の投手コーチを務めている。けがと闘う野球人生を経験し、子どもたちに正しい投球フォームやけがを予防する技術を教え、楽しんで野球をしてもらおうと塾を立ち上げた。ある競技の中学生大会の会場で、顧問の先生が負けた点差分だけ、腕立て伏せをさせていた。精神的な強さを要求しての『優しさ』だったかもしれないが、この生徒は将来、楽しんでスポーツをするだろうか、と息を飲んだ。野球塾では、約30分間かけてじっくりとストレッチを行い、けがの予防に努めている。競争させるのではなく、一人ひとりの練習メニューで子どもたちが楽しんでいる。心と体に優しいスポーツ指導と思った。(坂井謙介)

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