マニフェスト

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 今回の総選挙は政権交代が大きな争点になり、『マニフェスト』という聞き慣れない言葉を盛んに聞いた。今までの公約と違って、政権実現の期限や数値を示しているので、政党を比較するのに分かりやすい指標になる。そんな中、まちの有権者の声を聞いているとき、一人の女性の意見に「なるほど」と思わされた。 その人は子育てについて話されたのだが、「単に『保育所の数をいくら増やし、いつまでに待機児童をゼロにする』といっても、子育ての本質について議論されないと子どもが置き去りになる。マニフェストと言われても、よく分からない」というのだ。 少子化が進む今、いわゆる『箱物』と違って保育所の増設などは歓迎されると思っていたが、「女性が働くのは賛成で、支援は必要」と断った上で、今のままでは子育てが『サービス業化』してしまい、子を預ける方も預かる方も無責任になってしまうと指摘していた。 なぜそれを訴えるかという理念が明確でなければ、具体的な政策、政権公約を唱えても伝わらない。『マニフェスト選挙』と、キャッチフレーズのようになった今回の総選挙。果たして有権者には届いたのだろうか。(坂本守啓)

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