鎮守の森

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 篠山市の波々伯部神社参道に生えていた、1本の大ケヤキが折れてしまった。夕立があがった直後に折れたそうだが、それまで何の前触れもなかったという。雷が鳴っていたので、雷鳴の衝撃が影響したのではないか、と宮司の近松健一さんは話していた。人や建物に被害がなかったのが不幸中の幸いだが、根元の幹周りは3メートルほどあり、樹齢1000年とも言われていたそうで、残念だ。 ところで、神社にはよくこういう大きな木が立っている。神木として祭られていることも多く、頭上高くにそびえる木々を見ると、厳かな空気が伝わってくる。まさに『鎮守の森』という名がふさわしい。 宮司によると、神社の地下には水脈があるものだそうで、日照りが続いても木が枯れることはないという。しかし、木は人が近くにいると弱るものでもあり、人間の暮らしの変化によって、水や空気が汚れていっているのもそれを加速させている一因。もしかしたら、今回ケヤキが折れたのは、そういった積み重ねのせいかもしれない。 鎮守の森も『聖域』ではなく、現代社会のさまざまな影響が及んでいるということか。『ばち』が当たるのはいつの日だろう。(坂本守啓)

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