長梅雨とサギソウ

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 梅雨がやっと明けた。この長梅雨のせいで全国的に農作物への影響が心配され、家電製品やビールなどの売り上げにも響いているようだ。これから『本格的な夏』が来て、回復することを期待したいが、そんな中、元気のいい話を聞いた。 絶滅の危機にあるサギソウの栽培に力を入れている今田小学校で、全校児童で育てているサギソウの生育が順調で、『過去最高の出来栄え』だという。もともと湿地に自生する植物なので、常に湿気がないとすぐに枯れてしまうのだが、サギソウにとっては長梅雨が好都合だったようだ。 しかし、どんなにいい条件が整っていたにしろ、毎日の水やりを欠かせない子どもたちの頑張りが、サギソウが元気に育つ一番の要因。駐車場から玄関まで歩く途中には、丹波焼で作ったサギソウ鉢がずらりと並ぶ『サギソウロード』ができている。開花時期は例年より少し遅れているが、日に日につぼみは大きなっていて、デカンショ祭のころには見ごろを迎えそう。今年も咲き出したものから、市内の施設に展示してもらうということだった。 うっとうしい梅雨だったが、その話を聞いて少し気が晴れたような思いをした。暑い日の取材中にも、今田の子どもたちが育てた真っ白なサギソウに出会って、涼をもらおうと思う。(坂本守啓)

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