考え方の違い越えて

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 氷上町が国民健康保険税を一世帯あたり平均で年額50000円引き下げた。同税は、介護保険料と同じように、サービスを受ければ受けるほど、被保険者の負担が増える。医療機関が多く、診療機会が多い町は、国保税が高くなる傾向があり、氷上町は郡内で最も高い水準にあった。 住民としては、税は安い方がうれしい。しかし、「安いのが良くて、高いのが悪い」とは一概に言えないところがある。国保税は、かかるだろう医療費を見込んで、それをまかなう費用を、税と国庫支出金などで収入する。それに加えて、予期せぬ病気の大流行に備える「貯金」もある程度必要で、その費用も、原則的には保険税に含んでいる。 しかし、国が貯金を義務づけているわけではなく、事実上、貯金するもしないも町の裁量となっている。郡内でも貯金がいると考えている町と、あまりいらないと考えていない町があり、医療機関の配置とあわせて大きな保険税の差が生まれている。 「考え方の違い」だから、「良い悪い」の問題ではない。国保のみならず、考え方が全然違う六町が集まって一つの方向にまとめていくのが合併論議。変わることは否定しない。よりよい方向を目指さねばならない。 ただ、何がどう変わるのかを行政は知らせ、理解を求める責務がある。住民も知る努力が求められる。その参考に丹波新聞がなればと思う。(足立智和)

関連記事